卒業後の進路

就職進学状況

 毎年、卒業生の7割程度が大学院に進学します。専門分野の見識を深め、社会に出ています。卒業後、または大学院修了後の就職先は化学メーカーに限らず、機械、電気、鉄鋼、エネルギーなど多岐に渡ります。

卒業後の主な就職先

●旭化成●東レ ●日立化成工業●三菱ケミカル●住友化学●三菱ガス化学●カネカ ●京セラ●新日鉄住金化学 ●クラレ●東洋紡●ユニチカ●日揮●JNC●JX日鉱日石金属●新日鉄住金●ジャパンファインスチール●住友金属鉱山●三井金属鉱業●セントラル硝子●ソニーセミコンダクタ●大分キヤノンマテリアル ●ダイセル ●大日本印刷●凸版印刷●リンテック●日立マクセル●太平洋セメント●デンカ●テルモ  ●東ソー ●トクヤマ ●トヨタ自動車●本田技研工業 ●日東電工●昭和電工●関西ペイント●日本ペイント●大日本塗料●ニプロ ●富士電機ホールディングス●古河電気工業●三井ハイテック●ユニ・チャーム ●東洋ゴム工業●NOK●山九


卒業生インタビュー

化学で世界を創造!

 これまでに勉強した化学がどんな場面に活かされているか、皆さんは考えたことはありますか?工場見学などの機会があれば是非参加して下さい。勉強した化学反応を実際に巨大な規模で制御するダイナミックな製造現場を目の当たりにし、化学の凄さを感じることができますよ。

 さて、私は現在AGCエスアイテック株式会社で化粧品材料や分析機器に使用される球状多孔質シリカに関する研究開発を行っています。シリカSiO2とはガラスや砂粒の主成分です。我々は化学的な製法によりナノレベルの細工を施すことで、シリカ粒子に人肌のシワをぼかす機能や化学物質を取り分ける機能など、多彩な機能を持たせています。こんな材料を作り出すにはどうすべきか、など我々化学の研究者は常にそのような本質を捉えようとし、企業ではそれを技術として製品へ活かしているのです。 私たちが普段何気なく接している、自動車、スマートフォン、化粧品、飲食物など実はほとんどの起源が化学物質です。このことは化学が進化している証でもあります。化学と我々の生活には密接な関係があるということを肌で感じながら、今後に活かせる知識・技能を身につけて下さい。

(AGCエスアイテック株式会社,田崎智久,2008年学士・2010年修士・2013年博士(工学))

卒業生の声

 幼い頃から化学が好きで、手を動かして実験したりすることが好きでした。中学、高校と勉強していく中で、化学への興味が更に深まり、机の上だけでなく自分の手で化合物を再現してみたいと思いました。そこで応用化学科に進学し、授業や研究の中で自分の手を動かす楽しみを学びました。そして、化学メーカーへ就職をしました。 現在私は工場で生産管理の仕事をしています。毎日わからないことだらけの中、職場の先輩に一つ一つ聞きながら仕事を行っています。わからないながら研究で培った考える力や、新テーマ発掘を頑張る中で得た新しい事に挑戦する力が仕事に活かされています。

 他にも学業だけではなく、大学では部活やアルバイトも行いました。一緒に作り上げていく楽しみ、仲間の大切さを教えてもらいました。改めて振り返ってみると多くの学びがあり、充実した大学生活でした。 九工大はこじんまりとしてて、一風変わった人が多いですが、気取ったりしない素直な人が多いです。そんな環境の中で自分の大学生活を作り上げて欲しいです。きっと中身の濃い学生生活が送れると思います。

(三菱ガス化学株式会社 四日市工場 小川大地 2013年修士修了)


化学の楽しさを知って企画力を!

 私は,キヤノン株式会社において,MEMSに関する研究開発業務に携わっています。 私のこれまでの経験から化学を学ぶということには,簡単には2つのレベルがあると考えています。第1のレベルは,色々な知識を点として覚えていくレベル。第2のレベルは,知識同士が結び合い,知識のネットワークが形成されてくるレベル。 私の場合,高校生での化学は,第1のレベルでしかありませんでした.しかし,大学で更に化学を学んでいくことで,多少なりと第2のレベルに踏み込むとことができ,化学を楽しめるようになってきました。もちろん,今の仕事でも化学は大いに役立っています。化学は,物事の本質を知ることのできる学問だと思います。

  みなさんにも是非化学を楽しんで頂き.物事の本質を知る人になってほしいと思います。また、大学から旅立つまでに“企画力”を是非とも身に付けてください。なぜなら,仕事・人生は,“企画/実行/反省”の連続だと思うからです。研究室に入られている方は,研究の流れがそうであると思われるかと思いますが,研究に限らず,部活,趣味,遊び,なんでも構いません。あらゆる状況で“企画力”を磨き,発揮してください。この力は,間違いなく社会に出た後で,あなたの大きな力となります。企画力とは,あなた自身の価値です。

(キヤノン株式会社・牛島隆志1998年修士修了)

 

MEMS:Micro Electro Mechanical Systemの略。
MEMSとは,半導体プロセス技術を用いて作製される,様々な機能を有する微小構造体などをさします。例えば,皆さんの身の回りでは,エアバック用の加速度センサ,プリンタのインク吐出ヘッドなどが実用化されています。

化学のスペシャリストを目指して

 子供の頃から興味本位でコンポを分解するだけ分解してから組み立てられない、自転車を無意味に修理して組み立てたらネジが数本余る、など工学部のセンス抜群(?)だった私は、化学系への興味も高かったことから本学へ入学しました。

 大学では、溶けた高分子(プラスチック)の流れを制御し、理想的な製品を成形するプロセスをコンピュータシミュレーションで予測する研究に没頭しました。液体の流れとは一見簡単に感じますが、「流体力学」という学問が存在するほど以外と難しく、流れ現象を数式化しそれをプログラム化して解析する一連の研究ではかなり苦戦しましたが、結局はこの研究が楽しくこの分野のスペシャリストになりたくて博士号の取得にまで至りました。

 今現在はこの当時の研究が功を奏し、プラスチック成形加工機械のメーカーに就職し、シミュレーションを駆使しながら製品開発を行っています。気がつけば子供の頃から好きだった機械いじりを行いながら高分子の研究を続けていますが、大学とは多くのことに挑戦し、そして進みたい道を明確に決めることのできる場でもあったなと実感しています。

(日本製鋼所・富山秀樹, 2001年博士(工学)取得)